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きみよりほかにはしるものなき 花かげにゆきてこひを泣きぬ

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二人の土方さんと二人の雪村さん
これにてひとまず終了です!
お付き合いありがとうございました!!





やっぱり、関係者を全員集めるのは問題だったんじゃねぇか…と今さら考えるが、どうにもならない。
幕末の土方と千鶴がどうなったのかはしらねぇが、こっちの千鶴の部屋のクローゼットから出てくるとき、土方が千鶴の手をとっていたことからも上手くいっているであろうことは察しがつく。
そして俺達がそれぞれの千鶴に手を出していたのを知っているのも、俺達だけ。
千鶴達はお互いのそういう事は知らないし、さすがにあの幕末の千鶴もこっちの千鶴に俺と途中までそう言う事をしたとは言うまい。
……いや、それ以前にあいつが人前で寝室での話をするとは思えねえ。


しかし、それにしても…


「やっぱりそっくりだな、お前ら」
「そうですか?」
「酒が入ってたら、やっぱり分んねえな」
「私はこんなに大人びてはいませんが…」


……まあそれは昨夜、俺がついに女にしちまったというのも理由としては無きにしも非ずだが…
そう思えばふっと笑いを漏らしてしまい、そのことに気付いた幕末の土方も察してニヤリと笑いかけてくる。
そのことに気付いたこっちの千鶴が僅かに頬を染めて俯いているが、あちらの千鶴はきょとんとしたままで。
この辺が、まだまだお子様だな。
さすがに俺もそこまでは育ててやれなかったが…それはこれからあいつを育てていくあちらの土方の仕事だろう。


「で、お前らはこれからどうするんだ?」
「俺とこっちの千鶴は、結婚するつもりだが……そっちはどうなんだ?」


史実の土方は色街の妓に娘を産ませてはいたそうだが、結婚したという話は残っていない。
しかし新選組に千鶴という女を預かっていたという話が記録に残っていないのに存在している。
ということは、どこかに歴史の抜け穴があると思って間違いない。


「こっちはとりあえず、もうちっとあいつの親父の捜索の様子を見ねえとな…」


確かに、父親が行方不明の間に娘をどうこうというのも拙かろう。


「早く見つかるといいな」
「そっちこそ、あいつを幸せにしてやってくれ」


視線の先には、きゃらきゃらと笑いながら二人でお茶の用意をしている千鶴が二人。
こうやって見ていると姉妹のように見える。
これで150年も時代が違うとは思えない。


そうだ。
忘れるところだった。


「俺ももうそっちへ行かねぇんだ。お前もここには来るなよ」
「…しまったな。仕事が捗らなくなっちまう…」
「そんなに明るい所でやりたけりゃ、千鶴の部屋から俺の部屋に来ればいいじゃねぇか」
「…その手があったか。でもそうすると、千鶴の飯が食えなくなるな…」
「……それは千鶴が俺の女房になるまで待てよ。そうすりゃまたお前に飯くらい食わせてやれるよ」


新選組の台所事情は想像以上にシビアらしい。
なんだかんだと説き伏せて、土方と千鶴は幕末へと帰っていった。
あの男が千鶴を幸せにしてやれるといいんだが…
せめて、戊辰戦争が始まるまでは……


しかし幕末の人間の心配をしても始まらない。
俺は俺で、今後の千鶴との生活を考えていかなくてはならない。
とりあえず、会社には話を通さねえとな……
話を通さないといけない相手を思い浮かべて、ため息をひとつ。
この気苦労は千鶴に癒してもらおう。
もちろん、こちら側の千鶴に。
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