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きみよりほかにはしるものなき 花かげにゆきてこひを泣きぬ

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鬼副長と千鶴ちゃん
鬼副長と千鶴ちゃんも無理やりまとめちゃう!←



ほぼ、夜毎通ってくるようになった未来の歳三さんだけど、今夜はお仕事の飲み会があるから来れないと前もって言われていたので、待たずに寝る仕度をしていた。
とは言えいつものようにお勝手を片づけたり、繕い物をしていると夜は更けてくる。
寝る前に、障子を開けて土方さんの部屋を見れば灯りが消えている。
今日も彼はどこかのお馴染の女性の処へ行ったらしい。


ため息をひとつ零して、延べてあった布団へと潜り込み、体を横たえようとしたときだった。
ガラリと障子の開く音と、誰かが部屋へ向かってくる足音がする。
足音は私の部屋の前で止まり、断りもなく部屋の障子を開けた。
月影の照らすその人の顔は見えないが、見間違える事はない。


「土方さん…?」


恐る恐る声をかければ、土方さんは息を一つ吐いて部屋へ入ってきて、静かに障子を閉めた。


「あの?」
「雪村、おめぇ男を通わせてやがったな?」


心の臓がぎゅっとなって、凍ったような気がした。
どうして気付かれたのか。
それ以上に、ふしだらな娘だと嫌われたか…
どんなに考えても、もうこの人には顔向けできない。
そう思えば、はらはらと涙が零れ落ちる。


「可哀想だけどな、相手の男はもう来ねぇぞ」
「どうして、ですか?」
「ん?あっちで女と上手くいくからな」
「あっち?」


どうして土方さんが、未来の事を知っているんだろう。


「会ったんですか?」
「会ったよ。お前を頼むって言われたな」


歳三さん…!


「元々俺が預かった女だって言っといたからな」
「はい…」
「だからおめぇも、馬鹿なことしてんじゃねぇよ」
「はい。申し訳ありませんでした」
「女になりてぇってんなら、俺がしてやるよ」
「え?」


思わず上げた顔。
目の前には、「何いってんだ、俺」と顔に書いてある土方さん。
私も思います。
でもそう言っていただける気持ちは嬉しい。


「ありがとうございます…でも、土方さんにもお馴染の方、いらっしゃいますよね」
「何言ってんだ、いねえよそんなもん」
「ですが、毎日のようにどこかへ通ってらっしゃいましたよね?」
「……なんでンなこと、お前が知ってんだよ」


なんでって……


「ずっと見てたからです…」


言ってしまった。
でも歳三さんに初対面でバレるような恋心だ。
きっと土方さんにも気付かれてるだろう。


「はぁ…なんだって俺なんだ…原田とか、お前に優しい男だっているだろう」
「そうですね、原田さんはお優しいです。……それでも、私がお慕いしているのは土方さんなんです」
「他の男にしときゃいいもんを…どうなってもしらねぇからな」
「土方さん?」


お布団を握りしめていた手を、掴まれてグッと引かれる。
引き寄せられたそこは、土方さんの腕の中で…顔に大きな手を添えられて上げさせられる。


「さて、あいつにどこまで許したのか…教えてもらおうじゃねぇか」


再び、蛇に睨まれた蛙のようになったのは言うまでもない。
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