きみよりほかにはしるものなき 花かげにゆきてこひを泣きぬ

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土方部長と千鶴ちゃん 2
久しぶりのシリーズです。
すみません。
デッドストックと化してました。
これから徐々に上げていきたいと思います。




仕事を終えて、帰宅しクローゼットの前に立つ。
さすがに夢だったと思いたい。
疲れた脳が、休息を求めて妙な夢を見たんだと。



とは思いながらも、ゆっくりとクローゼットの中へ手を伸ばすと、何かに引っ張られるような感覚を覚えた。
気がつくと、やはりそこは昨夜も訪れた和室で、布団の中から雪村(小)がきょとんとした目を向けていた。


「………よぉ…」


さすがに何か声をかけないと拙いかと思ったが、出たのはこんな一言で。



「土方さん?」
「ああ」
「朝は驚きました。沖田さんが押入れ開けても誰もいらっしゃらないんですもん」


やはりバレていたらしい。
それもそうだろう。
あの雪村(小)の態度でバレないはずがない。


「でも不思議です。今日は沖田さんがイヤミのように部屋の中漁って行ったんですけど、土方さんは見つかりませんでした」
「ああ、俺もよくわかんねぇんだが、元の時代に戻れてたからな」
「そうなんですね!」


………この雪村はちと足りねぇのか?
普通こんなこと言われたら、突っ込むとこはいくつもあるだろ。


それにしても…


「おめぇみてぇなガキが、なんだって新選組にいるんだ?」
「あ…それは…」


昨夜と同じように、布団に入って寝物語に聞く千鶴の身の上話。
新選組と関わりのあった蘭方医ねぇ。
松本良順と、その弟子の南部以外にもいたのか。
そりゃあ最終的に大所帯になるんだから、いてもいいはずなんだが……


なんの気なしに動かした手が、ふわりとした千鶴の小さな胸に触れる。


「ぁっ」
「わりっ…そんなつもりは無かったんだが…」
「いえ、大丈夫です…こんな子どもみたいな体型では、土方さんもそんな気も起きないでしょう?」
「別に乳が女の全てじゃねぇだろ」
「でも、最近こちらの土方さんもどなたかお相手が出来たみたいで…きっと、私とは違う大人の綺麗な方なんでしょうね」


どこか諦めたように言う千鶴に、憐れみの心を抱いたのは…雪村とイメージが重なったからか?


「でかくしたいか?」
「…できれば…」
「保証はできねぇが、手伝ってやる。あと、女の歓びも教えてやるよ」
「え?」
「ただし、最後まではしねぇ」


どうしてこんな事を言ったのか、あとになっても分からねぇ。
それでもこの、どこか諦め達観した歳若い娘に、男に可愛がられることがどういうことか、教えてやろうと思ったのは確かだった。


それがこんな事になるとはな。
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