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きみよりほかにはしるものなき 花かげにゆきてこひを泣きぬ

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若紫 7
ひじちづ~


すみませんなんかR15くらいな感じになってきてしまいました。







なんかもう、分からないことだらけだ。
突然お兄ちゃんが迎えに来て、一緒に帰ってきて、いま抱き締められて、き…キスまでされてしまった……ほっぺだけど。



「ちづ、確かに俺ァ中学の時はあんまり人には言えねぇ素行だったけどよ…」
「知ってます」


しまった。
思わず口答えしてしまった。
チッと、お兄ちゃんから小さく舌打ちが聞こえた。
怖いよ~。


「とにかく、だ。確かに色々してはきたが、その中に本命の女がいた事はいねェ」
「………好きじゃないのに、そういうコト、するんですか?」



あんな家の前でキスとか?
おうちに女の子連れ込んだりとか?
男の子はしちゃうの?



「……悪かった」
「謝られる筋合いがありません。私はお兄ちゃんとはただの幼なじみだし…」


ただの幼なじみ…
自分で言ってて哀しくなる。



「千鶴には悪いが、俺ァもうただの幼なじみとは思えねェ」
「え?」


そう言うと、折角緩めてもらった腕の力を、お兄ちゃんはまた強くしてくる。
いつまでこのままなんだろう…
ドキドキして、心臓が痛くなりそうなんだけど…


「さっきも言ったけどな。俺ァお前が好きらしい。だから、千鶴も無関係じゃねェからな」
「そんな冗談、お兄ちゃんらしくない…」
「ちづ!俺の言うこと信じるって言っただろ?」
「あ…はい…」



そうだった。
キスを目撃してから、どうもお兄ちゃんのことを疑ってしまう…
こんなの可愛くないって、お兄ちゃんもイヤになるよね。
そう思えば、どんどん気持ちが落ち込んできて俯いてしまう。


何やってるんだろう、私。
お兄ちゃんにもこんなに迷惑かけて…




私が落ち込んでるのが分かるのか、お兄ちゃんが背中をトントンと、まるで小さな子を宥めるように軽く叩いてくる。
ここでも私は小さな子扱いなの?


「お兄ちゃん」
「どうした?」
「私もう、ちっちゃな子じゃないよ」


可愛くない言い方だったかも。
むくれちゃったし。
でもお兄ちゃんはそんなの気にしないみたい。
一瞬驚いた顔をしたけれど、すぐにニヤリと笑って、「なら、女扱いしてやるよ」とだけ言って顔を近付けてきた。


「え?お兄ちゃ…」
「黙ってろよ」


そう言われ、素直に黙ってしまうと、そのままお兄ちゃんの唇が私の唇に重なった…



「んっ……おに、ちゃ…」
「ちづ…」

最初は触れるだけだったそれが、やがて啄むようになり、私が口を開くとぬるりとしたモノが滑り込んできた。


「んん~ッ!」


や~っ!
コレって、ディープキスっていうのなの?
ファーストキスの相手が初恋のお兄ちゃんっていうのは嬉しいけど……うぅん、恋人じゃないのにこんなコトするなんて、お兄ちゃん相手でも複雑。



なのに、私に構わずお兄ちゃんは私の口のなかを舌で暴いていき、唇を離した頃には私の息はあがり、私たちの間を繋ぐ銀糸を、お兄ちゃんは最後にもう一度ちゅっと音をたてて私にキスをして切った。




お兄ちゃん……慣れすぎ…




あがってしまった息を調えようと、不本意ながらお兄ちゃんへ力が抜けてしまった体を預けると、お兄ちゃんは私の体を抱えあげてソファへ座りなおした。
私の体は、お兄ちゃんの膝の上へ…


「お兄ちゃん…重いから…」
「重くなんかねぇよ。いいから、ここにいろ」

降りようと身をよじってみるけど、私の体を抱えるようにまわされた腕がそれを許してくれない。


「ねぇ…お兄ちゃん…」
「ちづ…ンな顔すんじゃねぇよ。止まらなくなる」



一体、私がどんな顔をしているというのだろう。
それでも、ちゅ、ちゅ、と何度もされるキスに、私の反抗も封じられていく。


「ちづ、イイ子だな…俺の彼女になってくれるな…?」
「でも…」
「でもじゃねェよ。俺とこうするの、嫌だったか?」

イヤだったけど…


「…嫌じゃなかった」


そう答えると、お兄ちゃんは見るからにホッとした顔をして私を抱きしめて、首筋に唇を落としてきた。


「お兄ちゃん…?」
「ちづ、俺の傍に居てくれねぇか?」
「……今までみたいに、幼なじみじゃ、ダメなの?」
「ダメだ」



即答!



「どうして?」
「幼なじみじゃ、お前が他の男のものになるのを、指くわえて見送らなきゃならねぇじゃねぇか」
「そんなの…」


来るかどうかもわからない未来を、心配する必要なんてないのに。


「な、ちづ。俺と付き合おうぜ」
「やだ」
「…なんでだよ」


俺のこと好きなんじゃねぇのか、とお兄ちゃんの視線が突き刺さる。
だって…


「お兄ちゃん、浮気、しそうだし…」

他にも女の子…うぅん、女の人いそうだし。

「ちづが俺のモンになってくれんなら、他の女なんか目に入らねぇよ」

そうかな?
でも…

「……お兄ちゃんのファンに、刺されそうだし」

お兄ちゃんの歴代の彼女さん、なんと言うか女子の間ではあまりいい噂を聞かない人たちだし…

「俺がンなことさせるワケねェだろ」

あとは…あとは、え~っと…



「もうねぇなら、いいな」
「えぇ~」
「え~じゃねェ」
「だっ…」
「だって、でもねェからな」


こういうとき、年上の幼なじみには敵わないと思う。


「う~」
「もう異論は受け付けねェからな。ちづは今から俺の彼女な」


そう言い置いて、またキスをしてくる。
初めから絡められる舌に、逃げれないように後頭部にまわされる大きな手。
激しいキスとは正反対に、宥めるように背中を擦るもう一方の手。


気が付くと、私の背中はすっかりソファへ預けられ、お兄ちゃんを見上げる形になっていた。


「お兄ちゃん…?」
「それもやめた方がいいな」
「…え?」
「カレカノなのに、【お兄ちゃん】はねェだろ…」
「なんて呼べばいいの…?」


そう問えば、んーっと少し考え、彼は答えた。

「ほら、お前が本当に小さい頃呼んでたのがあるだろ」



小さい頃…
【お兄ちゃん】の前に呼んでたのは…


「トシ、くん?」
「それでいこうぜ」
「トシくん…」


確かめるように呼べば、嬉しそうに微笑んで、またキスをくれる。
本当に、彼の彼女になれたのかな…?






まだまだ慣れないキスに翻弄されて、意識も朦朧としてくる………ん?
何だろう…何か当たってる気が…


「んっ……ちゅっ…おにぃ…」
「ちづ」
「トシくん…」
「ん…どうした?」
「何か当たってるけど…」


なに?そう問うと、お……トシくんはばつが悪そうに体を起こした。


「……悪い」
「なにが?」
「いや、分かってねェんなら、いいんだよ」



ちづにはまだ早い。そう言って、トシくんは体を離してしまった。





……あれ?





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