きみよりほかにはしるものなき 花かげにゆきてこひを泣きぬ

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

若紫 5
ひじちづでーす!



4で【若紫】が出てきましたが。
もちろんこれも掛けてるんですが、これから“お兄ちゃん”に千鶴ちゃんを育ててもらいたい、という願いも込めております。



どうしてこうなったんだろう。
いつも通る通学路。
いつもと違うのは、隣にいるのがお千ちゃんじゃない、ということくらい…のはずなんだけど、その違いがずいぶん大きい。




久しぶり会ったお兄ちゃんは、やっぱりカッコよくて…
一年前より、背も伸びた気がする。
私はあんまり変わらない、ちんちくりんのままなのに…
このままだと、またすぐに誰かお相手が出来るんだろうな。



思わずため息を洩らしてしまった。


「はぁ…」
「ん?どうした、ちづ?」
「あ…なんでもない、です」
「何でもねぇこたねぇだろ。まさかお前、変な男に付きまとわれてるとかじゃねえな?」
「やだお兄ちゃん。私モテないから、そんな心配いらないよ」


いきなりお兄ちゃんの眉間の皺がぎゅっと寄って、何を言うのかと思ったら。
そんな心配があるくらい可愛ければ、お兄ちゃんももっと違った目で私を見てくれたのかな…?
なんて。
もう諦めるってずっと思ってるのに…こうやって一緒にいると、諦めきれないよ。



「お兄ちゃんこそ、どうしたの?いきなり迎えに来たりして」
「何だよ、なんかねぇとちづと一緒に帰っちゃいけねぇのかよ」
「そんなことないけど…」


期待してしまうから、本当に気を持たせることはやめてほしい。
俯いてしまうと、少し歩調が遅くなってお兄ちゃんと差が開いてしまう。


ほら、すぐにこうやって距離が開くんだから…


「何やってンだよ、ちづ。ほら…」
「え………ぇえ~!!」
「なにでかい声出してんだよ」



いやいやいや、出させてるのはお兄ちゃんだって!
いきなり手とか繋いで…
しかもコレって…こっ、こいっ…恋人繋ぎっていうのじゃないの!?


「ぉっおにぃちゃん!?」
「声、裏返ってンぞ」


クツクツ笑いながら、お兄ちゃんは繋いだ手に力を込める。
なんでこんな事になってるの!?
アワアワする私をよそに、お兄ちゃんは私の手をひいて歩を進める。


「手っお兄ちゃん、手!」
「嫌か?」
「イヤとか、そういうんじゃなくてッ」
「ならイイじゃねぇか」




あれ?
そうなのかな?




「ちづが相変わらず可愛くて安心したぜ」
「かっ」



可愛い!?



「やだ、お兄ちゃん!可愛くなんかないよ!」
「ンなこたねぇよ」
「そんなことあるよ!」






なんて、ご近所へのご迷惑も考えず騒いでいるうちに、家の前まで着いてしまった…
反省…
心の中で反省をしていると、お兄ちゃんがきゅっと手に力を込めた。
何かあるのかな?


「ちづ、ちょっと話があるんだけどよ」
「話?あっじゃあ、うちでお茶でも飲みながら…」
「いいのか?」


真剣な目をしたお兄ちゃんに見つめられる。
そんな目で見ないで。






本当に、勘違いしてしまいそう。






スポンサーサイト

コメントの投稿

 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL

Copyright © 月の江. all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。