きみよりほかにはしるものなき 花かげにゆきてこひを泣きぬ

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若紫 3
ひじちづ、続きますよー!





学校の帰りに寄ったスーパーで、のぶ姉さんに遭遇してしまった。
お兄ちゃんと距離を置いているので少し気まずいが、小さな頃からお世話になっているので逃げるわけにもいかない…




お兄ちゃんと会わなくなって、もう一年くらいになる。
何度か女の子と街を歩いてるのは見かけたけど、話し掛けることもないし、向こうも気付かない。
そう思い返すと、やっぱり私一人がいつまでも気にしてるみたいでイヤになってしまう。
だからのぶ姉さんの言葉は、まさに寝耳に水状態だった。



「そうそう、千鶴ちゃん!うちの歳三が春からお隣の薄桜高校に通うのよ!!」
「え……ぁ、お兄ちゃん、受験終わったんですね」
「何だかんだ成績もそれなりに取れてるし、部活でも成績残してたから…」

そうなんだ…


うちの女子校の隣は男子校で、やっぱり誰がカッコいいだの、誰と誰が付き合ってる、なんて話題はよく耳には行ってくる。
薄桜高校の方にも、私たち島女の人気投票なんかが存在するらしいけど…(お千ちゃん情報)
嫌だなぁ…せっかく離れたのに、またお兄ちゃんが誰かと付き合ったりするのを見なきゃいけないのかな。

「ねぇ千鶴ちゃん…」
「はい」
「良かったら、うちの歳三見張ってくれないかしら」
「…え?」


どういうこと?


「ほら、うちの子って身内の贔屓目抜いても、顔は良いでしょ?そんな顔に寄ってくる変な女とばっかり遊んでるみたいで…」
「あそんで、る?」
「そうなのよ!心配でしょ?でもこれからはまた千鶴ちゃんがいるから大丈夫ね!」
「え、あの、でも…私なんかがいたら、お兄ちゃんが嫌がるんじゃ」
「大丈夫よ~あの子の薄桜高校の志望理由が理由だし」


そう、なのかな?
でものぶ姉さんは、私かお兄ちゃんか、という状態になるといつも私の味方をしてくれていたから…


ひょっとしたら、私の気持ちもこの6つ上の幼なじみにはバレていたのかもしれない。
そう思うと少しドキドキして、顔に熱が集まった気がする…
伺うように、チラリと視線を向ければ、お兄ちゃんとよく似た瞳で優しく綺麗に微笑まれてしまった。
ひぃッ!







ここの姉弟は心臓に悪い。


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