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きみよりほかにはしるものなき 花かげにゆきてこひを泣きぬ

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初恋をもう一度 after
デッドストックになっていた『初恋をもう一度』のアフターストーリーです。
でも千鶴は出ません。



誕生日に思わぬところからケーキが贈られたお兄ちゃん、薫。
最愛の妹千鶴に「ちゃんとお礼言っておいてね」と言われて、仕方なく後日学校の職員室に向かうと衝撃の事実が…!
「…ケーキ、ごちそうさまでした」
「…おう」

放課後、職員室でデスクワークをしていると心底嫌そうな顔をした薫が礼をいいに来た。
おそらく千鶴に嫌々来させられたんだろう。

「アンタ、うちの千鶴を懐柔してどうする気なのさ」
「ああ?懐柔だぁ?たまたま会った誕生日の幼馴染に、ケーキ買ってやって懐柔もなにもねぇだろ」
「他意がないならいいけど。俺は妹が傷物になるのも、幼馴染が犯罪者になるのもゴメンだから」
「傷物だ?…っと、そうだ。薫、てめえは妹にどういう教育してやがんだ」
「は?」
「お礼と称して俺の頬にキスしやがったぞ」
「……ぃあく…」
「あ?」

俯いて、ぼそりと呟く薫に聞き返す。

「最悪って言ったんだよ!千鶴に頬にキスすればいいって教えたの、子どもの頃のアンタだろ!」

そんなこと…あったか?
いや待て、仮にそうだとしてもだな…

「ちょっと待て、いつの話だ?!あいつももう高校生だぞ?!」
「知らないよ!アンタのせいだろ!」

千鶴の教育方針について、実兄と幼馴染二人で口論していると、「どうどう…」と暴れ馬に言うように言いながら原田が寄って来た。

「とりあえず、土方さんはガキの頃の千鶴に余計な事を教えた、と」
「そう」
「だが、それをここまで放置したのは傍にいた薫だ、と土方さんは言いたいんだな?」
「そうだ」
「第三者から言わせてもらや、完全にどっちもどっちだがな」

しかし、幼女と小学生、中学生の頃ならまだしも、どこか途中でおかしい事に気づくはずだろう。
それともなにか?
千鶴の周りにはそういう奴ばっかりだったってのか?

……………それはそれで腹立たしいな。

「でも、千鶴だって最近はそんなことなかったんが…」
「あ?」
「小さな頃は俺の頬にもキスしてくれたけど、さすがに小学校高学年くらいからはそんなことしなくなった」

だから何も言わなかったんだ。と言い訳する薫の言葉に、へー。と暢気に相づちを打つ原田。
つまり、何か?
それは俺が…俺だけが…

「教えた土方さんだけ有効ってことか」

どうしてそんなバカな事を教えたんだ、ガキの頃の俺………
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